令和7年分の年末調整について
今年も残すところ2ケ月となり、そろそろ年末調整の準備を始める時期となりました。この時期になると、保険会社等から年末調整に必要な控除証明書類の発送が始まります。以下の「控除証明書」は年末調整に必要となります。例年10月中旬以降に届いていますので、従業員の皆さんへ周知し、紛失等がないように回収をお願いいたします。
生命保険料控除証明書
(一般の生命保険、個人年金保険及び介護医療保険)
地震保険料控除証明書
社会保険料控除証明書(国民年金)
国民健康保険料納入済額のお知らせ(注)
小規模企業共済掛金払込証明書
(注)9月30日迄の納入金額です。1年間分は翌年1月20日前後の発送となりますので、10月から12月までに納付した金額を合わせて申告してください。
保険料の控除証明書は、契約内容のお知らせと同封されて、封書にて送付されてくる場合がありますので、必ず中身の確認をお願いいたします。
令和7年分の年末調整と「年収の壁」見直しについて
令和7年(2025年)から、いわゆる 「年収の壁」 と呼ばれる仕組みが見直されます。これにより、扶養控除や配偶者控除の対象となる収入の基準が緩和され、年末調整の申告内容に影響が出る場合があります。ここでは、制度のポイントをわかりやすくご紹介します。
<「年収の壁」とは?>
「年収の壁」とは、配偶者や家族を扶養に入れる際に基準となる収入の上限のことを指します。これまでは、家族の年収が一定額を超えると控除を受けられず、結果的に税負担が大きくなるため、多くの方が働き方を調整していました。
よく知られている例としては、
□ 103万円の壁(配偶者控除に関係)
□ 150万円の壁(配偶者特別控除に関係)などがあります。
<令和7年からの変更点>
令和7年分の年末調整から、次のような変更があります。
□ 配偶者控除や扶養控除の対象となる収入基準が 引き上げ られます
□ これまで対象外だった家族が、新しい基準では控除対象になる可能性があります
□ 19歳以上23歳未満の子どもを対象とした 「特定親族特別控除」 が新設されます
これらにより、働き方の選択肢が広がり、結果的に税負担が軽くなる方も増える見込みです。
<年末調整で必要になること>
年末調整では、毎年「扶養控除等申告書」や「基礎控除・配偶者控除等申告書」などを提出いただきます。
令和7年分からは以下の点にご注意ください。
1.
ご家族の年間収入の見込みを改めて確認してください
2.
これまで控除対象外だったご家族が、新たに対象となる可能性があります
3.
申告書の様式や記載内容も一部変更されています
<まとめ>
令和7年分の年末調整では、「年収の壁」見直しにより、控除の対象となる範囲が広がります。「昨年と同じだから」と思わず、今年の申告書は必ず内容を確認してください。
ご不明な点があれば、勤務先の担当者や税務署、または専門家にご相談いただくことをおすすめします。
令和8年分扶養控除申告書 前年分から記載対象者変更
令和7年度改正により、令和8年分の扶養控除等申告書の記載対象者が一部変更となりました。最大の変更点は、特定親族特別控除の創設に伴い、親族を記載する欄(B欄)に「源泉控除対象親族」を記載する点です。つまり、従来の「控除対象扶養親族」を記載していた欄が「源泉控除対象親族」を記載する欄に変更されました。
令和8年分以後は、B欄の「源泉控除対象親族」と配偶者を記載する欄(A欄)の「源泉控除対象配偶者」の数を基に“扶養親族等の数”を算定し、「令和8年分源泉徴収税額表」(月額表等)に基づき給与等の源泉徴収事務を行います。
上記のとおり令和8年分以後の源泉徴収事務にも影響するため、給与支払者は、B欄のほか、A欄についても、従業員等に注意喚起が求められます。
税金の納期限について
(1)個人事業税
県内において事業(一定規模以上の不動産賃貸を含む)を営んでいる個人の方に対してかかる税金です。年間290万円の事業主控除が可能ですので、所得税法の青色申告特別控除前の所得金額が290万円以下の場合には課税されません。
第2期の納期限が12月1日になります。振替納税を利用している方は指定金融機関の口座から引落し、それ以外の方は金融機関等での納付となります。
(2)所得税
11月は所得税の予定納税(第2期)があります。前年の所得税の確定申告に基づき計算した予定納税基準額が15万円以上である場合に、原則その1/3相当額を7月と11月に納めるものです。予定納税が必要な方には、税務署から「予定納税額の通知書」が送付されます。
第2期の納期限が12月1日になります。振替納税を利用している方は指定金融機関の口座から引落し、それ以外の方は金融機関等での納付となります。
また、予定納税の義務のある方が廃業、休業又は業況不振等により、10月31日の現況による申告納税見積額が既に受けている減額の承認に係る申告納税見積額に満たないと見込まれる場合において予定納税額の減額を求める手続きを「減額申請手続き」と言います。
第2期分のみの申請期間は11月1日から11月15日までとなっています。
(3)住民税の納期の特例
個人住民税(従業員の個人住民税の特別徴収税)の納期の特例を選択している場合、12月10日が納期限です。6月~11月徴収分を12月10日に、12月~5月徴収分を来年6月にまとめて納付することになります。
